御縁玉④ 音楽セラピーで、宇宙?へ行った話
健ちゃんの経歴を見ると…カタカナが多くてよくわからないんだけど、
たぶんスゴイ。
パリ国立音楽院に首席で入学し、最高評価を受けて卒業、
パリ管弦音楽では、スーパーソロチェリストという待遇に抜擢され、
指揮者のウォルフガング・サヴァリッシュやナントカカントカ
(むつかしい名前の人がいっぱい)らと共演。
シチリアやフィレンツェ(ってどこにあるの?)の、国際コンクールで1位だったり、
2位だったりするヨーロッパでも注目のアーテイスト。
2002年、現代音楽の金字塔 作曲家、指揮者ピエール・ブーレーズと出会い、
際だった技術と鋭い感性が認められ、
ブーレーズのアンサンブル・アンテルコンタンポランのソリスト
(なんのことかわからない…)となる。
それがきっかけで、ヨーロッパの現代音楽界でも、その名が注目されるている。
おもいっきり省略したので、健ちゃんが読んだら怒るかな?
いえいえ、きっといつものように微笑みながら
「山ちゃん、まあまあです。」って言うだろうな。
今日は、そんな健ちゃんにやってもらった音楽セラピーについて書こう。
がん患者に音楽セラピーをするのは、健ちゃんも初めて。私も、初体験。
毎晩、私たちは個室にこもり、ふとんをひいて言葉のない世界を共有した。
な~んて書くとヘンでしょ~? うふふ…。
ふとんの上にあおむけになって、目を閉じる。
イヤホンで健ちゃんが作った音楽(インドっぽいビヨ~ンビヨ~ンした不思議な音)を聞く。
すると、私のおなかの上に、静かにチエロがおかれる。
健ちゃんが、弾き始める。
海にひきこまれるような、気持ちがいい音が、体を包むように伝わってくる。
低い音なのか、高い音なのか、さっぱり覚えていないんだけど、
ブオーン ブオーンとチエロの音が聞こえ、おなかと耳を通して体に響いてくる。
健ちゃんは私の呼吸に合わせて、弾いている。
眠っているわけではなく、目をさましているわけでもなく、
夢を見ているわけでもないのに、映画のスクーリーンを見ているように、
場面が映し出される。
私はいつのまにか自分の人生を、ふりかえり、再体験し、悲しくなり、
なつかしくなり、愛おしくなり、なぜか涙がぽろり。
見える場面は、セラピーを重ねるにつれて変わっていった。
最初のセラピーでは、2歳くらいの自分が、
祖父にだっこされて近くの小学校の校庭の鉄棒のそばで、話をしていた。
「お~っ、死んだじいちゃんじゃねーかえ!! どげしよったかえ~!」
とうれしくて泣いた。
次のセラピーでは、白衣を着た菓子職人の父が、登場。
「お父さん、寂しねーかい? あたしも、そっちに行こうかえ?」
と声をかけたら、
いつもの笑顔のまま「大丈夫、大丈夫」。 何回も、そう言ってくれた。
物語は、だんだんブラックホールにスポンと吸い込まれるように、
深いところをウロウロ。
家族のこと、病気のこと、友人のこと、死のこと…
心の湖から、涙があふれてさらさらと流れてくる。
セラピーの最後は、いつも波の音が聞こえる。
チエロの音が、ザ~ザ~ッと、波の音になる。
すると、だんだん現実の世界に引き戻されて、ハッ目をさます。
あれ? 目の前にブッダがいる…? 仏陀は、よく見ると、健ちゃんだった。
日本語とフランス語。
言葉は通じないけれど、「実はね…」と、
何を感じたのかを語りはじめる山ちゃん。
わかってるのかわかってないのかわからない会話をしながら、
わかってもらっているという安心感が漂うんだわ。
コレ、不思議な関係。
こんなセラピーを、毎晩1時間くらいやっていただいたんだけど、
10回目が終わった時、レモンスカッシュを飲んだみたいに、
なんだかスッキリしていた。
でも…ある時のセラピーで、号泣し、
仏陀の健ちゃんにしがみついてオイオイ泣いてしもうたことがあった。
それをカメラで撮っているえぐっちゃんがいる!!ってことなど、
すっかり忘れて…。
ああ、今考えると、目から火がでるほど、恥ずかしい。
穴があったら入りたいけど、穴がない。
奇跡がおきて、がんが治ったという話を聞くたびに、
私にも奇跡がおきるといいなと思う。
でも、よく考えたら奇跡は、もう起きているのかもしれないね。
だって、パリの音楽家、健ちゃんの音楽セラピーを受けられた!
ってことそのものが奇跡だったと思う。
健ちゃん、ありがとう。私は、今日もこうして生かされているよ。
コメントをどうぞ!
エリックさんのことを読むと、涙が悲しくないのにでてきます。きっと泉さんに奇跡は起こると、私は思います。
ニコリともしないでバッハを演奏するエリックさんは、何者でしょう?泉さんの神様かしら・・・。
投稿者多田喜代子:2008年01月25日 15:25
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